もう一つの方、
トム・ブラウンJr.さんが書いた
『グランドファーザーが教えてくれたこと』(原題「The Quest」)
『グランドファーザーの生き方』(原題「Grand Father」)
グランドファーザーというのは、ストーキング・ウルフという名のリパンアパッチ族最後の長老のこと。
トムさんが出会ったころには、80歳くらいだったのではないかと書かれているので、
以前に私が
ブログに書いた「ダンス・ウィズ・ウルブス」の時代(西部開拓時代の後半)に子供時代を過ごした経験がある世代と予想されます。
「 The Quest 探求をやめなかった最後のネイティブアメリカン」という
かっこいい表題が表紙の横に書かれています。
グランドファーザーは晩年になるまで、文明社会と交わることなくスピリットの導きとビジョン(日本語では幻想とか訳されることがありますが、意味としては大いなるものから与えられる自分の今生の指針というか、目指すところという意味合いの方が強いと思います)に忠実に生き、自然と共存してました。
晩年になり自分が得たケアテイカ―(地球の世話人)としての生き方と自然と共存して生きるサバイバル技術をこの地の残そうと願った時、目の前に現れたのは7歳の白人の少年トム・ブラウンJr.さんだった。
ここから物語は始まって行きます。
トムさんがグランドファーザーから直接聞いた、彼の人生やその中での出来事が
まとめて語られているのが、『グランドファーザーの生き方』(原題「Grand Father」)です。
『グランドファーザーが教えてくれたこと』(原題「The Quest」)
私たちが散々鈍らせてきた五感、そして第6感。
全てを研ぎ澄ませて自然と調和して生きる、その中でサバイバルしながら生き延び、自分たちを育んでくれる自然の世話をするケアテイカーとしての生き方を教わります。
そして、さらにトムさんはグランドファーザーに文明社会から離れるのではなく、文明社会と交流を持ち、その知恵と技術を伝えて行くことを託されます。
そうしたトムさんの自叙伝がこの本に記されています。
現在トムさんは、この知恵と技術を伝えるためにトラッカー・スクール(サバイバルのための学校)を作り、現代に伝えています。
なんと、さくらももこさんはトムさんの本に感動し、アメリカのトムさんのスクールに入学した経験があるようです。
私は2016年にサウスダコタのネイティブアメリカン・ラコタ族(スー族)の居留地に滞在させていただけるご縁があり、その時にこの本のことを教えてもらいました。
私自身とても心動かされたので、現地まで行って入学したさくらさんの行動力は素晴らしいなと感動しました。
心を込めて書かれたさくらさんのイラスト入りのトムさんの本。
この本を読むだけで、自分の視線が以前よりも驚くほど遠くまで届くようになったし、
それに伴って視野は広く奥深くまで広がりました。
ネイティブアメリカンの有名なことわざ。
『 Only when the last tree has been cut down,
the last fish been caught,
and the last stream poisoned,
Will we realize we cannot eat money. 』
日本も含め、世界中に政治・経済・教育・環境など様々な、
人間自身が作り出してしまった問題がたくさんあります。
このことわざ通りに、今まさになろうとしている私たちの世界。
そんな中で、この本は
自然と、
宇宙と、
地球と、
人間と、
その兄弟たち(他の生き物)と、
破壊しあうのではなく、共に調和をもって暮らしていく
ヒントを与えてくれます。
少々分かりづらい部分があるかもしれません。
私自身も、内容全部をくみ取れているとは思えない。
けれど、読んだ方がそれぞれ心動かされたポイントというのが、
きっとその方のコアの部分に何かを残してくれると思うんです。
それに、さくらももこさんのイラストが親しみやすくしてくれています。
一人でも多くの人にこの本が読まれることを祈って。
おわり
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